第30回 『冬の肌トラブル対策!!』

こんにちは。サンキュードラッグ薬剤師の永安です。寒~い冬。この時期に『乾燥肌』お悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回は、冬を少しでも快適に過ごしていけるように皮膚の乾燥についてとその対策を紹介いたします!
(皮膚のバリア機能)
健康な皮膚には潤いを保ち、体内への異物の侵入を防ぐバリア機能が備わっています。そのバリア機能の主役が角質細胞が積み重なった『角質層』です!!
角質層は次の3つによりバリア機能を果たしています。
①皮脂膜:
汗腺から分泌された汗と皮脂腺から分泌された皮脂が混ざった膜で角質層の表面を覆い、皮膚の水分の蒸発を防ぎ、外から加わる刺激を軽減していきます。
②角質細胞間脂質:
セラミドなどの角質細胞間脂質が水分をため込みます。
③天然保湿因子(NMF):角質層に存在し水分を保持しています。
季節によって変わる肌状況
皮膚の角質層の水分量は、気温が低下して空気が乾燥する1~2月にもっとも少なくなります。
皮脂量も秋から冬にかけて急激に減少します。そのため皮膚は乾燥し、角質層がけばだった状態になって、外部からの刺激を受けやすくなります。
皮膚のトラブルを予防するためには、秋から冬にかけての、保湿を中心にしたスキンケアが重要です。

体の中で乾燥しやすい場所はどこ?
全身で比較すると、角質層の皮脂量は顔よりボディの方が少なく、とくに手足は乾燥しやすい部位となります。 全脂質量をひたい、 胸、足の3カ所で比較すると、ひたいがもっとも多く、次いで胸、足の順になります。 顔の中では皮脂分泌の少ない、目や口の周りは乾燥しやすい部位になります。秋から冬にかけてはフェイスケアだけでなく、ボディの保湿にも気を配りましょう!
乾燥した肌を放っておくと、どうなるの?

皮膚が乾燥すると、角質層にすき間ができて水分が蒸発しやすくなり、放っておくと乾燥がさらに進行します。
また、すきまができると外から『異物』が入り込みやすくなってしまいます。
【主な異物】
アレルゲン:
アレルギー性疾患の原因となる物質です。皮膚炎を引き起こす原因となります。アトピー性皮膚炎でも症状発生の要因の一つとなることもあります。
細菌:
細菌が分解した物質や湿疹によって皮膚の壊れた物質が、血液やリンパ管を通って体内に進むと全身に湿疹が広がる『自家感作性皮膚炎(湿疹)』を起こすことがあります。
ウイルス:
『尋常性疣贅(いぼ)』や『伝染性軟属腫(みずいぼ)』や『カポジ水痘様発疹症(単純ヘルペス)』などの原因となります。
さらに、皮膚が乾燥すると、異物が入りやすくなるだけではなく、かゆみを感じる神経線維の数が増え、長さも皮膚の外側に向けて伸び、刺激に敏感になるため、かゆみを感じやすくなります。
そうなると、かゆみが出て、夜、ふとんの中で体が温まると、眠れないほどかゆくなる『皮脂欠乏症』やジクジクと湿った貨幣状の湿疹が起こる『皮脂欠乏性湿疹』につながっていくおそれがあります。
治療
保湿などのスキンケア対策を行なっていても、かゆみなどの症状が治まらず、症状が長く続いたり悪化する場合は、『アトピー性皮膚炎』や『じんましん』『乾癬』『水虫』などの皮膚の病気であったり、『肝臓病』や『腎臓病』『更年期障害』『ストレス』が原因でかゆみが引き起こされてることもあります。いずれの場合も皮膚科を受診することをお勧め致します。また、受診するべきか判断がつかない場合は、ぜひサンキュードラッグのスタッフにご相談ください。
治療で使う薬
①保湿剤:乾燥で起こる皮膚病なので保湿剤をぬることが治療の基本です。特に入浴直後にまだ皮膚が十分に乾ききっていない時にぬると水分を皮膚に閉じこめて保湿力がアップします。皮膚の水分量や脂の量やバランスで成分や剤形(ローション、クリーム、軟膏など)を使い分けることによって効果が変わります。
②塗り薬:炎症の度合いによって強さの異なる薬を使い分ける事になります。代表的なものは『ステロイド』『非ステロイド系抗炎症剤』『抗ヒスタミン剤』。原因によっては抗生剤や抗ウイルス剤などを使用することもあります。
③飲み薬:抗ヒスタミン剤のような飲み薬で身体の内側からかゆみをおさえていきます。薬は全身に効くので、かゆみの範囲が広い時にも効果的です。また、血行をよくするためにビタミンEなどのビタミン剤も使われることがあります。
④漢方薬:乾燥肌を改善するための漢方薬としては「当帰飲子(とうきいんし)」が代表的です。肌に潤いを与えると同時に痒みを鎮める作用があります。当帰飲子は10種類の生薬からなっています。代表的な物は
・当帰(とうき): 血行をよくする
・しつ梨子(しつりし):皮膚の痒みを改善する
・何首鳥(かしゅう):肌の栄養を与える
などです。その他にも体の水分循環を改善する真武湯(しんぶとう)なども使われます。
ステロイドは恐い?
『ステロイド』と聞くと効果はあるけど恐い薬をイメージされる方もいらっしゃると思います。しかし、強い炎症などは早めに『ステロイド』でおさえたほうが治りがよい場合が多くあります。正しい使い方をすれば皮膚の負担も回避・軽減できますので医師や薬局に相談の上使用しましょう。
皮膚が乾燥したときのケア法は?
洗顔の時の注意点としては、洗浄力の強すぎる洗顔料を使ったり、ごしごしと洗い過ぎてしまうと必要な皮脂まで落ちてしまう事がありますので気をつけてください。
気温も湿度も低下する、そんな季節こそ、スキンケアの基本を見直しましょう。
冬はクリームを使う量が増え、クリームに頼るあまり、基本の水分補給、つまりクリーム以前の保湿がおろそかになる傾向があります。スキンケアの基本である水分の多い化粧水(ローション)でたっぷ り水分を補給してから、徐々に油性成分の多いクリームをつけてゆき水分の蒸発を防ぐステップをしっかりと守りましょう。

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保湿剤の上手な塗り方
入浴後、汗や汚れを除いた後に塗るのがベストです。入浴直後は角質層内に水が入ってふやけた状態になっているため、そこに保湿剤を塗ると、水分を逃さない効果が加わります。すり込まず、患部に薄くのばして塗るのがポイントです。
乾燥を防ぐための入浴法
熱いお湯で長湯すると皮膚温が高まり、かゆみが増すので避けましょう。皮膚温を高める効果のある入浴剤も避けることをお勧めします。 体を洗うときはナイロンタオルなどでゴシゴシ洗うと、角質層がはがれ落ちて薄くなり、乾燥が進み、湿疹が起こりやすくなりますので、木綿のやわらかいタオルを使ったり、手で直接洗うとよいでしょう。せっけんやシャンプーは少量を手のひらでよく泡立ててから使ってください。多量に使うと角質層の脂分が取り除かれる危険があるのでご注意ください。できれば弱酸性のマイルドなせっけんを使うことをおすすめします。
日常生活で気をつけること
次の点に注意しましょう
● 室内の乾燥に注意する。加湿器を置くなどの工夫をする。
● こたつや電気毛布を長時間使用しない。
● 刺激物や香辛料によってかゆみが増すことがあるので注意する。
● 肌に直接触れる衣類は、チクチクする素材は避け、木綿など刺激の少ない素材を選ぶ。
● 衣類を洗濯するときは、石鹸が残らないようによくすすぐ。
● 睡眠を十分にとる。
● たばこは吸い過ぎないようにする。
● ストレス、過労を避ける。

乾燥肌を防ぐ食事法
●ビタミンA、ビタミンEを積極的に摂る
ビタミンA、ビタミンEには皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚の再生を助ける働きがあります。
ビタミンAを多く含む食品は、レバー、卵黄、ウナギ、緑黄色野菜、柑橘類などです。
ビタミンEを多く含む食品は穀類、胚芽油、綿実油、豆類、緑黄色野菜などです。OTC医薬品やサプリメントを利用するのもよいでしょう。
●乾燥によってかゆみが出たときは、
食べ物に注意する
酒やコーヒー、香辛料、熱い鍋物、カレーライスなどは血管を拡張させ、かゆみが増すことがあるので、かゆみがある時はできるだけ避けましょう。
参考文献
南山堂 病気と薬のパーフェクトブック2011
きょうの健康 2008.12
大正製薬のセルフドクターネット「気になるカラダの症状」http://www.selfdoctor.net/
サノフィ・アベンティスHP http://www.sanofi-aventis.co.jp/l/jp/ja/index.jsp
アルージェブランドサイト http://www.arouge.com/item/skincare.html






